イトゥ 【ブラジル生活】週末にちょっとそこまで小旅行 of ENCONTRO




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【ブラジル生活】週末にちょっとそこまで小旅行

Photo by Andre Kenji

イトゥ ー 『おおげさな街 ( Cidade dos Exageros ) 』



 2014年サッカーW杯日本代表のキャンプ地となったイトゥ市、サンパウロから内陸へ約100Kmにある人口16万人の都市です。

 現在、イトゥの街の名を聞いて人びとが思い浮かぶ事といえば何と言っても「巨大な公衆電話」、「巨大な信号」に代表される市内にある巨大なモニュメントの数々でしょう。

 それゆえ、イトゥは別名、『おおげさな街 ( Cidade dos Exageros ) 』と言い、現代においてはこの名前の方が有名となっています。

 この名前の由来は1960年代にイトゥ出身の有名コメディアンがTV番組で「オレの故郷はすべてがデカイ」とネタにしたのが始まりで、ユーモアにあふれるイトゥ市民はそのネタ通り実際に次々と巨大なモニュメントを建て始めてしまい、それが話題となりいつしかこの街の代名詞となってしまいました。


コロニアル風な街路&広大な農園や邸宅を利用したファゼンダ(農園)ホテル



 今日のイトゥ市はコーヒー農園全盛時代にこの街に労働者として全国から移住してきたブラジル人の他、移民としてコーヒー農園に入植したポルトガル人、イタリア人、日本人の子孫を中心として構成されており、コロニアル風な街路と内陸都市特有の落ち着いた雰囲気がかつてのコーヒー貴族達の時代を偲ばせます。

 一方で、郊外に散在するかつてのコーヒー貴族達の広大な農園や邸宅を利用したファゼンダ(農園)ホテルもこの街の魅力となっており、中でも今回日本代表が宿泊予定の「スパ・スポーツ・リゾート」のように専門施設と専属トレーナーや栄養士、医師等を備えた総合スポーツ・ダイエットリゾートではブラジルでも屈指と言われます。

 また日本人移民の子孫である日系ブラジル人が多く住むこの街には日本食のスーパーはじめ日本人の名前を冠した商店や道、広場が数多くあり、文化・政治面においても日系人の影響は大きく、日本人にとって落ち着ける雰囲気もサッカー日本代表のキャンプ地に選ばれた大きな理由となっています。


ブラジル南部奥地探検の基地、イトゥ



 17世紀の始め、探検家ドミンゴス・フェルナンデスがこの地に礼拝堂を建立したことにはじまるイトゥの歴史はその後、ブラジル南部奥地探検の基地として最初の繁栄を迎えます。

 しかし、パイオニア達による奥地探検がひと段落すると、政治・経済の中心地から距離が離れていることや(当時ブラジルの中心は最初はサルバドール、その後リオデジャネイロでサンパウロは地方の寒村にすぎませんでした。)、踏破はされたものの、サンパウロ州奥地は依然として未開の原始林のままで開発とは程遠かったためしばらく停滞期が訪れます。


『共和国のゆりかご』、コーヒー貴族の戦いの地へ



 19世紀にはじまった世界的なコーヒーブームにより、当初の栽培地であり輸出港にも近いリオデジャネイロ―サンパウロ間の山間部だけでは生産量が間に合わず、サンパウロ州奥地の広大で肥沃な土地へと注目が集まり始めます。

 この奥地開拓の波にいち早く乗ったのがイトゥの街で、19世紀の半ば早速この地を中心に原始林を切り開きコーヒー農園開拓が始まると、折からのコーヒー豆の値段高騰も加わり、所謂コーヒー成金(コーヒー貴族)が次々とこの地から生まれます。

 いつしか州都(当時は県都)サンパウロを凌ぎブラジル全土でももっとも裕福な街の一つとなったイトゥとこの街のコーヒー貴族達ですが、自らの手一つで風土病やインディオの襲撃と戦い未開のジャングルを切り開いてきた彼らはただ私財を築いた成り金ではありませんでした。

 独立心旺盛な開拓者として当時いまだに帝政で封建主義的な社会システムだったブラジル政府に対しても変革を求めて行くこととなります。

 コーヒー貴族達はその財力により、時を同じくして胎動し始めていた共和制運動の思想家や活動家を街や自らの農園へ招いて講演をさせたり、政府に追われた活動家を匿うなど彼らの運動を支援したためイトゥは別名を『共和国のゆりかご』と呼ばれこの事実はブラジルの歴史には欠かせないトピックとなっています。


イトゥへの行き方



 イトゥへの行き方は、サンパウロからカステロ・ブランコ高速道路(BR374)をソロカバ方面へ向かい、78Km地点で州道75号(SP-075)入りそこから約20Km程。またはサンパウロからバンデイランチス高速道路(SP-348)をカンピーナス方面へ向かい途中ジュンジアイで州道300号(SP-300)へ入りそこから約40Km程。どちらのルートでも所要約1時間20分です。バスはサンパウロ・バハフンダバスターミナルから1時間毎に出ており所要約1時間40分。

itu9 Andre Kenji.jpgイトゥ名物の巨大公衆電話。このほかにもいろいろな巨大なものが町中にあります。Photo by Andre Kenji

itu3 atilavelo.jpgコロニアル風のたたずまいを残す教会。17世紀から発展してきた歴史を垣間見れます。Photo by atilavelo

itu6 Andre Kenji.jpgヨーロッパでも見られそうな建物が街にはたくさんあります。Photo by Andre Kenji

itu11 HiperFashion Estúdio Criativo.jpg街はとてもきれいで週末にはサンパウロから多くの観光客が訪れます。Photo by HiperFashion Estúdio Criativo

itu2 R. Motti.jpgイトゥは歴史の街という側面だけでなく、とても多くの自然に恵まれています。Photo by R. Motti

itu10 Ricardo Giaviti.jpgイトゥに行ったら、日帰りではなくファゼンダホテルに宿泊してここの自然を満喫してください。Photo by Ricardo Giaviti

itu12  atilavelo.jpgファゼンダホテルに泊まると様々な動物も見ることができるでしょう。Photo by atilavelo

itu8 André Spigariol - Jornalista.jpg実はイトゥはカートが盛んで、大きな大会も開催されています。Photo by André Spigariol - Jornalista